夕暮れが終るころ、季節外れの夏の大三角が西の空に傾いていました
こと座のベガがひときは明るさをはなっています
夏から秋に頭上に舞い上がっていたはくちょう座が、頭を西の地平に傾け、徐々に低空へと降りてきました
先月に訪れた時には、もの悲しげに聞こえていた秋の虫の音は、今はもう聞くことはできません
誰も居ない真っ暗な高台で今夜ひとり、行く季節を見送っています
季節は晩秋から初冬へと移り替わっていきます
僕はひとり、自分の存在を感じ、何物にも代えがたい感動を、心に刻んでいます
いま、この場にいて良かった