先日、ボイジャーの打ち上げ40周年の記事を書きましたが、今回は打ち上げ20周年を迎える直前の本日(日本時間2017年9月15日)、土星大気圏に突入し燃え尽きて任務を終える「探査機カッシーニ」の事に触れてみたいと思います
探査機カッシーニは、1997年10月15日 アメリカ合衆国フロリダ州ケープカナベラル空軍基地からタイタンIV型ロケットによって打上げられました、今からおよそ20年前の事です
ミッションは土星探査
カッシーニは、土星へ向かうにあたり、金星で2回、地球で1回、そして木星で1回のスイングバイ(重力ターン)を行いました
打ち上げから約6年8か月の歳月をかけて、2004年6月30日に土星軌道へ投入、土星で初めてのオービターになりました
ちなみに、探査機カッシーニの名前の由来ですが、1660年代~1700年代に活躍した、イタリア出身のフランスの天文学者「ジョヴァンニ・カッシーニ」にちなんで命名されました
彼は土星や木星など惑星観測に情熱を注ぎ、土星の4つの衛星の発見や木星の自転周期の算出などの功績があります
中でも、土星の輪は複数の輪で構成されていることを発見し、その中で一番外側の隙間が「カッシーニの隙間」と名付けられていることは有名です
探査機カッシーニが土星軌道に投入されてから10年間に、土星を206周回して膨大なコマンドを実行し33万枚の写真を撮影、ホイヘンスプローブを衛星タイタンに着陸させました
その成果の一部ですが、
衛星を7個発見、衛星タイタンに液体が流れた後の水路を発見、土星北極のヘキサゴンの様子を完全に観察、南北両極に巨大なハリケーンを発見、衛星エンケラドゥス(土星第2衛星)がプルーム(雲のように立ち上る煙や水蒸気)を活発に噴き上げていることを観測、これにより液体の水の大規模な地下海の証拠が発見されました
特にエンケラドゥスの地下の海は「太陽系で微生物が生息する可能性の最も高い場所」であることを示唆しているそうです
オービターとなった探査機の最後は、探査機自体に付着している可能性がある微生物などから、対象惑星やその衛星の汚染を防ぐために、探査目的の惑星に突入させて消滅させる事が通常となっているそうです
探査機カッシーニはその使命を終了し、本日、人知れず土星大気圏に突入し、消滅をしました
ただ、一つの人間が作った機械が人間の考えによって、未知の環境を保護するためにその存在を抹消されただけに過ぎません
でも、その存在を知ってしまった僕は、その功績を知ってしまった僕は、その送信されてきた映像に果てしなく感動してしまった僕としては、近しい存在が亡くなったと同じ喪失感を抱かずにはいられません
ただただ言いたい
ありがとうカッシーニと・・・
AllPhoto From NASA