先日、裏の浜で富士山の写真を撮っているおやじさんと話をしました
ここは三保の松原近くなんですが、富士山を写すには確かに良いロケーションです
その時の何気ない話の中で、現像ソフトは何を使ってますか?って聞いてみたのですが、そのおじさんは、1枚撮り基本の1発勝負でJPEGオンリー、自分で現像やレタッチをするのは邪道だ、との考え方の人でした
うーん、分かる気持ちも、ほんの少しはあるにはあるのですが、、、
フィルム世代のアナログ人間のデジカメ版といった感じの人なのでしょうか
でも、各デジカメも撮影後にカメラ内でJPGE画像に変換する時に、メーカーやそのデジカメ固有の処理が施されている事については許容するんですよね
フィルムの個性を尊重して、そのフィルムの発色や諧調が好きで使っていたような感覚なのでしょうか
自分でイメージした画像に現像処理をしていくのが、まるで撮った写真を偽物にしている行為のように考えている人が案外に多かったりします
なんとなく分かる気持ちもあるんですが、僕はどんどん現像処理を施して、自分の気に入った画像に仕上げていくのが好きですね
フィルム時代も、本格的にプリントをするには、ラボのプリントアーティストに仕上がりイメージを伝え、試しプリントをしながら作品を仕上げていくのが楽しかった
それが、今はPC上で自分でできてしまうんです!、それがデジカメの究極の醍醐味なんだと思うんですが、それを悪ととらえている人が、けっこういたりするんですよね
でも、そんな考えの人は、ほぼPC操作が出来なかったり苦手だったりする、食わず嫌いの人が大半なような気がしてなりません
で、話をもう一歩進めます、ここからが本題なのですが
ここ数年、新星景写真というジャンルが盛り上がりをみせています
知っているでしょうか
平たく言うと、ガイド撮影した星空の写真と、固定撮影の地上の写真を合成した写真の事です
インスタより拝借
上の写真、東京の上空に天の川が写し出されています
ありえない写真なんですが、知らない人が見ると「東京でもこんな星空が見られるんだ!」って事になってしまいます
これはアート(合成)だと一見して判別できない技術がデジタルで芽生えてしまったのだと思います
この写真を新星景写真というかというと、ちょっと違いますが、まあ、作品としては目を引きますよね
さて新星景写真
僕はこの新星景写真を、これからたくさん撮って(作って)いきたいと思っています
でも、そこにはやはりガイドライン的な取り決めがなければならないように思えてなりません
何でもありだと、本当に僕が見てイメージした写真なのか、分からなくなってしまいます
なので僕がこれから自分で生み出すであろう、新星景写真のガイドラインをここに明記しておきます
*ガイド撮影と固定撮影の合成で作る新星景写真ですが、同一の時系列で同一の機材(おのずと同一の写野)で連続撮影した写真のみを使う
*撮影する前に、予め仕上げた写真をイメージして撮影に臨む
*自然観測から逸脱したような写真は作らない、もし事情で作成をするのなら、その旨を明記して誤解を与えないように努力する
フィルムの時代から写真は人間の視覚をはるかに凌駕した瞬間を切り取ってきました
川の流れや雲の流れを絵の具を溶いたように、超スロースピードで光を蓄積した写真
高速シャッターによる、数千分の1秒を静止させた写真
それらは、人間の視覚を欺いているのではなく、ただ人間の視覚が捉えきれない領域を写し出している写真「真実の画像」なのだと僕は思います
写真技術はデジタルに移行して、新たな局面に移りつつあります
それは、写真とアートのボーダーが曖昧になるような弊害も生んでいますが、クリエイトする側がしっかりした意識を持って撮影するならば、今まで以上に人間の目を凌駕した、驚くような映像を大勢の人とシェアできるとても素晴らしい進歩なんだと思います