星降る夜空を求めて

星景写真、星野写真の撮影を楽しんでいます

赤道儀談義 vol.4 ポータブル赤道儀に思う事

昨今、ポータブル赤道儀が、ひそかなブームのような気がしてなりません

デジタルカメラの高感度特性が向上し、固定撮影でもとてもきれいな星空が撮影できるようになりましたが、ガイド撮影という赤道儀を使った撮影法で撮った星空は、固定撮影のそれとはまったく次元が異なります

 

そのガイド撮影を、より手軽に撮影できる機材がポータブル赤道儀です

 

ここで、僕なりにポータブル赤道儀に思うことを記事にしてみました

 

ポータブル赤道儀とは?

 ポータブル赤道儀とは、手軽に移動・撮影ができる小型の赤道儀の事と僕は理解しています

 

 

ポータブル赤道儀の種類

代表的な製品は、ユニテック社のSWATシリーズ、TOAST TECHNOLOGY社のTP-2、サイトロン社のナノトラッカー、ビクセン社のポラリエ、そして高橋製作所のPM-SP、その他もろもろの数多くの製品が市場に出回っています 

 

 

ポータブル赤道儀の使用用途

ポータブル赤道儀は文字通り、移動用途が基本の使い方だと思います

 

この「移動」ですが、大きく2通りの意味があると思います

ひとつは、電車やバスそして飛行機などの交通機関を移動に使う、もうひとつは、登山などの自身の足と体力での移動、の2通りです

(*なかには、ポータブル赤道儀を主力機材として、中型赤道儀のように運用し、星空観測や星野写真の撮影を楽しまれている強者も見られますが、ここではポータブル赤道儀の一般的な使用用途として語らせてもらっております)

 

通常の観測は、車が観測のベースになります

観測場所へ車で乗り付けて、機材を四方10m以内へ設置と言うパターンがほとんどです

 

しかし、時には、「今度は山の頂上で星空を撮りたい」とか、「沖縄の離島で星空写真を撮りたい」とか考える人もいると思います

 

そんな時に出番になるのが、ポータブル赤道儀となります

 

 

ポータブル赤道儀に求める事

僕がポータブル赤道儀に求めることは、自分の体力で持ち運ぶことができるサイズと重量(具体的には2㎏以内)、そして100㎜程度の望遠レンズを自動追尾できる追尾精度の2点です

 

ポータブル赤道儀はあくまでも本体のみの事を指していますので、これに付随する機材が当然必要になります

カメラはもちろんの事、カメラと赤道儀をつなぐ雲台、極軸を合わせるレベラー、そしてしっかりとした三脚です

ちなみにポータブル赤道儀を作動させるために、コントローラーと電源は必須ですね

 

 追尾精度と重量は関連深く、追尾精度を追求した製品は、おのずと大きく重くなっていきます

 

ごくごく一般的に、ポータブル赤道儀を使用した星空撮影を考えた時に思い浮かぶシチュエーションは広角レンズ~標準レンズ程度の比較的広い視野を映した星景写真だと僕は思います

 そうした場合の追尾精度は、それほどシビアには必要とせず、かえって極軸合わせを丹念に行えたほうがメリットはあるような気がします

 

 デジタルカメラの高感度特性が飛躍的に向上した現在、星空は固定撮影でもそこそこの写真が撮れてしまいますが、やはり赤道儀を使った撮影は一味も二味も違ってきます

 

今現在、出回っているポータブル赤道儀は、上記のシチュエーションを意識した製品がほとんどであるように思います

 

また200㎜や300㎜と言った望遠レンズでの撮影を可能にした追尾精度をほこるポータブル赤道儀も存在します

これらの製品は、性能的にはEM200クラスの中型赤道儀と比較しても劣ることはなく、ポータブルと呼ぶには、少し違うような気がしますが、人によってはとてつもない利用価値がある製品であると思います

星空撮影に特化した旅行などを企画した場合、とても高スペックな写真を撮影できるのではないでしょうか

 

 

・僕の所有しているポータブル赤道儀

 僕が所持しているポータブル赤道儀は、高橋製作所のPM-SPです

 

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日食撮影を視野に入れ、SWAT200とどちらにしようか検討したのですが、安直にタカハシブランドを購入してしまった次第です

 

PM-SPは、僕の思うポータブル赤道儀という枠の中に納まるギリギリの製品です

 

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製品重量は1.8㎏ 、サイズおよそ16㎝×12㎝×12㎝(H×W×T)、高橋製作所の小型赤道儀PM-1の赤緯体をベースにした、赤経軸のみを持つ小型の赤道儀です

ウォームホイールは歯数112枚、ステッピングモーターによる駆動で、駆動スピードは恒星時、恒星時の0.7・0.5・0.3倍、太陽時の5段階

本体に極軸望遠鏡を内蔵している事が、僕の購入意欲を大いにくすぐりました

 

 テーブルにはコスモ工房さんに依頼をして、ユニテック社のSWATシリーズのオプション品が使用できるようにアダプターを作成して取り付けています

 

 

・お勧めのポータブル赤道儀

僕がお勧めするとしたら、ユニテック社のSWAT200、TOAST TECHNOLOGY社のTP-2、ビクセン社のポラリエあたりでしょうか

 

通常使用の域での撮影であれば、精度と重量のマッチングした製品たちだと思います

 

中でもビクセン社のポラリエは、必要以上の装備は省き、すっきりとしたインターフェイスで、初心者にもわかりやすく、現地での戸惑いもなく使える良い製品だと思います

 

軽量のデジカメの広角レンズでの星空写真を簡単に撮りたい向きには、サイトロン社のナノトラッカーもおすすめですが、使用範囲がとても限られます

 

 

・最後に

最後になりますが、ポータブル赤道儀は、ポータブルとはいえ、まぎれもない赤道儀です

極軸のセッティングは大型の赤道儀と何ら変わりはありません、使用するレンズの焦点距離により、シビアに合わせるか、適当でいいのかの違いはありますが、基本的には極軸を合わせて、本来の性能が発揮されます

 

極軸合わせは、ある程度の経験と慣れ、そして北極星を見つけられる知識が必要になります

ポータブル赤道儀を手に入れたから、すぐに星空撮影ができるとは限りません

 

どうか、最初の難関の、極軸合わせをマスターして、固定撮影とは違った、美しい星空写真をぜひ撮影してみてください