僕は、幼少のころから、星空の魅了にとりつかれて生きてきました
物心がついた頃、冬の早い宵の訪れた家への帰り道、歩く正面には、オリオン座の三つ星が垂直に昇っていくのを、見つめているのが好きでした
家の隣にはアパートがあり、よく夕刻には屋上に上がり、暮れなずむ西空に、輝く金星を見つけては、喜んでいました
楽しい時、幸せな心で見上げた星空
寂しい時、癒しを求めて見上げた星空
心を空っぽにして、ただその美しさに魅せられ、見上げた星空
少年の頃、幼い心にも美しいと感じた星空を、僕は、事ある毎に、色々な心境で見上げてきました
いつもいつも変わらぬ美しさで、僕に感動を与え、時に心を癒し、時に心を励まし、時に心を魅了してきた星空は、僕という人間の心の根幹を形作ってきたものなのだと思います
いま、こんな時代にこそ、そしてこの歳になってこそ、こんな「星空を見上げる」ひと時が、僕にとって、とても重要な時間なのではと、思っています
これからも、僕は、僕の心の中の少年に催促をうけながら、降るような星空を探し続けていくのでしょう
それが僕の生きて行く糧であるのだと思います