星降る夜空を求めて

星景写真、星野写真の撮影を楽しんでいます

夏の星座 さそり座「勇者オリオンへの刺客」

さそり座 学名:Scorpius(スコルピウス) 略符:Sco

目印は赤く輝く1等星「アンタレス

南の空を見てみましょう、そんなに高く首を持ち上げる必要はありません

暗い空なら天の川が雲のように確認できるはずです、その天の川の一番濃い「スタークラウド」と呼ばれ部分から、少し右にそれたところに、深紅に輝く星が目を引くと思います、これが全天で21あるおおよそ1等星以上の明るさの星のひとつ、さそり座のアンタレスです

ちなみにアンタレスの等級はおよそ0.9等星、都会の空でさそり座の全容はみえなくとも、アンタレスは確認できると思います

このアンタレスを中心に、アルファベットのS字を描くように星が並んでいます、これがさそり座です

夏を代表する星座で、黄道12星座の第8座にあたります

 

神話「オリオンへの刺客」

諸説がありますが、さそり座は女神ヘーラー(大地の女神ガイアと言う説もあります)からオリオンを殺すために放たれた大サソリであるとされています

オリオンは狩りの名手でしたが、ある時「自分はこの地上のありとあらゆる獣を射止めてみせる」と豪語しました

この言葉に激怒した女神ヘーラーが、大サソリをオリオンのもとへ送り、猛毒の尾で刺殺させました

この大サソリの功績を女神ヘーラーによってたたえられ、天に昇って星座となったそうです

オリオンも星座となりましたが、空に昇ってもサソリを恐れており、さそり座が昇り始めると、ひそかに西の空へと姿を隠してしまうのだそうです

 

深紅の1等星「アンタレス

さそり座の中心で輝くアンタレスですが、「サソリの心臓」とも言われ、バイエル記号は「さそり座α星」、全天で13番目の明るさです

アンタレスの言葉の由来は、アンチ アレース「火星に対抗するもの」だそうです

火星はおよそ15年周期で地球に大接近しますが、季節は必ず夏でさそり座の近くで輝きます

この様子が、まるで火星とアンタレスが競い合っているように、古代の人は見ていたのでしょう

さて恒星アンタレスですが、赤色超巨星と言う、恒星の中ではお年寄りの部類に入る大きな星で、直径は太陽の700倍もあるそうです

星の一生の終わりに近づきつつあるアンタレスは、非常に不安定で周囲にガスや塵をまき散らかし、やがて超新星爆発を起こす運命にあります

もし超新星爆発を起こした場合、太陽系から500光年ほどしか距離が離れていないため、地球にも影響が及ぶものと考えられています

 

さそり座に属する天体

さそり座はスタークラウド近辺に位置しているので、微光星がたくさんあり、散開星団球状星団が、肉眼はもちろん双眼鏡や望遠鏡で楽しむことができます

 

アンタレスのすぐ西側に、球状星団M4があります

双眼鏡では小さな繭のような星雲状に見え、あまり面白くはありませんが、10㎝クラスの望遠鏡で見ると、中心から微光星が枝のように繋がって見える様子が確認できます

ただ、さそり座自体、高度があまり上がらないため、大気の影響によって見え方がかなり左右されてしまいますので、空気の澄んだ日に、南中時間を確かめて観測するとよいでしょう

 

サソリの尾の近く、北東付近、いて座との中間に散開星団M6とM7が並んでいます

まさにスタークラウドの真っ只中なので、星雲状の微光星を背景に星の不規則な集団を楽しむことができます

北側(上方)の小さな散開星団がM6、そのすぐ左下にM6よりも少し大型の散開星団がM7

どちらも双眼鏡での観測が最適で、M6はぼんやりとした星雲状の中に星々が東西に並んでいる様子を、M7はM6に比べ大粒の星が見事に広がって星団を形成している姿が美しく見ることができます

どちらも望遠鏡で観測する場合は、40倍程度の低倍率がおすすめですよ