星降る夜空を求めて

星景写真、星野写真の撮影を楽しんでいます

赤道儀談義 Vol,0

始めての望遠鏡

僕が星空に興味を持ち始めたのは、たしか小学校の5年生でした
たしかクラス担任の先生に感化されたような記憶があります

その頃にお年玉をためて、望遠鏡を買いました
ミザール(日野金属)と言うメーカーの40~50㎜程度のアクロマート屈折式望遠鏡で、ピント調整はラック&ピニオンも付いていないただの繰り出し式(単純に手で延ばす方式)、ファインダーも無し、もちろん赤道儀ではなく経緯台でした

これが、しかし小学生の子供には良く見えたのです
最初は友達数人を集めて、月を見て大はしゃぎをしました
そのうちに夕刻の一番星から順に、望遠鏡を向けてみたのですが、今にして思えば夕空の明るい星は、ほぼ惑星なんですよね
宵の明星の金星が、望遠鏡で見ると三日月のように欠けて見えること
木星に寄り添う4つのガリレオ衛星などが、非常に興味深く心を刺激しました
そんなある時向けた星が、なんだか楕円に見えるんです
「あれ、おかしいな?、、」と思いました
そして、目を凝らしてみると、小さな輪っかがかかっているようにも見えます
「何かおかしいぞ、この星!」と思い、さらにじっくりと、まさに穴が開くほどに見つめて、「これは土星だ!!」と思いあたりました
何の予備知識もなく土星を発見した僕は、ひっくり返りそうなほど驚きました、そしておそらく小学5年生の心が受け止められる、最大級の感動を味わいました
写真で見るあの土星が、小さく小さく目の前にあるのです、僕の望遠鏡で見えるのです
あの時の感動は、今でも僕の心の根幹にはっきりと残っています

しかし、一つの問題に行き当たりました
その時の土星を見た望遠鏡の倍率は80倍程度だったように記憶しています
じっくり見ていると、土星がみるみる視野から外れてしまうのです
何も知らなかった僕は、ただ望遠鏡の固定が悪いのだと思い、クランプをペンチで思いっきり締めてみました、しかし結果に変わりはありません
ファインダーもない望遠鏡で、苦心して導入した土星が、あれよあれよという間に、視野の中でどんどん動いていくのです
これが日周運動だと分かるまでに、かなりの時間を費やしました
そして、この問題を解決する道具が赤道儀だということにたどり着くまでに、さらに時間を要しました

最もそれに気が付いたとしても、少年にはとうてい手が出るような代物ではないし、また僕ごとき小学生レベルの観測には、機材も観測対象も、経緯台レベルで十分でしたが、、、

 

初めての赤道儀

その後、中学・高校・大学(中退ですが・・)とギターやバイクにうつつを抜かした僕が、社会人になり初めての赤道儀を手に入れるのです

やはりミザールの廉価版の赤道儀に120㎜の反射望遠鏡
その頃は、まだ眼視主体でしたので、赤道儀の精度はあまり追及せず、手動でも星の追尾が出来れば良いくらいにしか考えていませんでした

極軸望遠鏡もなく、モータードライブも付いていない、今考えてみると、何のための赤道儀だったのかと思わざるを得ないほどの物でした

しかし初めての反射望遠鏡、しかも僕にとっては120㎜は大口径
大雑把に極軸を合わせておけば、手動でも対象を追尾できるのは、とても重宝しました
120㎜反射が映し出す世界は、小学生の5㎝足らずの屈折望遠鏡のそれとは次元が違っていました
木星の縞模様、土星の輪のカッシーニの隙間など、二十歳を過ぎた僕は興奮して夜空を見上げていました

しかし、分別を持って成長した若者は、光学機器もさることながら、赤道儀天体観測の要であることを理解したのです
天体写真を撮りたいと、本格的に考え始めたからでした、、、